兵庫県の製麺所で受け継がれる手延べ製法とは?

兵庫県は大阪と京都に隣接し、近畿地方の中でも西端に位置しています。自然が共存する地方の良さもありつつ、神戸市街などではたくさんの繁華街が並んでおり、昼夜問わず活気があふれるまちです。
今回は、そんな兵庫県の製麺所で生産されている、歴史ある手延べ製法のそうめんについてご紹介します。

兵庫県ではそうめんの生産が盛ん

県内の南西部である播州地方では、一級河川で有名な揖保川や赤穂の塩、地元で生産されるブランド小麦などをふんだんに使ったそうめん作りが盛んに行われてきました。各所に製麺所が集中している地域でもあり、長きに渡って播州そうめんを世の中に広め続けています。
その中でも、わたしたちに馴染みのあるブランドが「揖保乃糸」です。揖保乃糸は世界的にも知名度や評判が高く、モンドセレクションで最高金賞を受賞している逸品です。喉ごしの良さとコシのある食感、見た目の美しさにも見惚れてしまいますよね。

播州地方の製麺所で続いている手延べ製法とは?

手延べそうめんの全国シェアでは、約4割を占めている兵庫県。約600年前から続く伝統的な手延べ製法は、播州地方でいまも受け継がれています。
機械で作る麺との大きな違いは、職人によって長く引き延ばされた生地を、ねじりながら巻き付ける工程があることです。単にローラーで延ばすよりも、よりしっかりした弾力のあるそうめんができます。
さらに延ばしと熟成の工程を何度も重ね、人の手で丁寧に手間をかけることで、美味しい播州そうめんができあがるのです。

製麺所は全国的に減少傾向にある

そうめんに限らず、全国の製麺所の数は徐々に減少しています。しかし、地域に根ざした製麺所は地元の風土や特産を生かした麺をつくることができるのが大きなメリット。最近は飲食店だけでなく、冷凍食品や即席麺での需要が高まっていることから、その活躍が期待されています。
手延べ製法のように、地域ブランドや味を守り続けている職人の技術をこれからも大切にしていきたいですね。